研究
2022.6.7
多様化する現代の写真表現を考え、社会と関係する
教員プロフィール
かわしま?たかし
1985年宮城県出身。東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。同大学现在哪个app能买足彩芸術学研究科博士前期課程修了。芸術学修士。自然と人間の関係性を主たる関心として、写真、映像、立体を用いたインスタレーションを制作。2019年にオランダのFoam美術館主催の「Foam Talent 2019」に選出されるなど、国内外を問わず活動するほか、コマーシャルフォトグラファーとして様々な広告制作に携わっている。主な受賞歴/第18回文化庁メディア芸術祭(審査員会推薦作品)、TOKYOFRONTLINE PHOTOAWARD(グランプリ)等多数。主な写真集/「描きかけの地誌?蒐集(artbeat publishers)「新しい岸女をめぐる断片(artbeat Publishers、東京)」。
興味の対象と真摯に向き合い、考え企画する
フォトメディア研究室は、時代の流れに沿って写真の変容を研究し、表現の歴史を体系的に観察したうえで各々が自分の生き方や方向性を見出していく研究室。写真のメディアとしてのさまざまな可能性について考え、写真表現の多様性を追求していきます。現在は写真だけでなく映像や彫刻、或いはファッション、音楽といった様々な要素とクロスオーバーし融合することで新しい作品が生まれる状況を学生たちと模索、研究しながら、私自身は作品制作はもちろん、数多くの企業のコマーシャルフォト制作にも携わっています。
写真で作品を作るということは、私たちの暮らすこの世界について、より豊かな学びを享受できるということ。その恩恵を感じながら、被写体と真摯に、能動的に向き合う楽しさを学んでいきます。
写真を「作品」に変える「総合力」を身につけよう
アーティストになりたい、コマーシャルを作りたい、という学生がこの研究室を訪れます。彼らにとって最短でデビューできる方法は何だろうと考えると、それは「総合力」を身につけること。単純に写真を撮る技術だけではなく、何かを企画する、リサーチし、課題解決し、プレゼンテーションするなど、ひとつのクリエイティブにまつわる、写真を撮るだけではない様々なチカラを満遍なく手に入れることによって、コマーシャルやアートの世界が豊かな感性で表現できるようになれば、仕事として写真を「作品」に変えていくことができます。そのために日頃から「外に出かけ、自分の行動や発想のスケール感を上げよう」、「被写体に出会ったら確信犯的に選択しよう」と教えています。何のために、なぜこのカメラで、なぜこの媒体に、と根拠のある選択を言葉で説明できることが将来、大きな強みになることを知っておくことは重要です。
ビジュアルでおもしろい文化を創造していこう
コロナ禍で学生たちは「家の中だけで撮る」というタフなテーマとも向き合いました。‘ピンチをチャンスに変える自分’を試みる、社会から与えられた課題解決への実証実験を経て、人と人の距離感や他人を思いやること、遠くの地を想像することなど、新しい価値観が生まれる機会を経験できました。
立ち止まったことで見えた景色も、引き返すことで知った体験も自身の強みに変えて、「写真を撮る」ことを理由に積極的に行動し、実体験を積み重ねてほしい。自分をプロモーションできるようになることを目指しましょう。
これからの時代はウェブなどを活用し、より拡張された世界の中で物事を捉えたほうが面白い体験ができ、それに関わるタレントも増えるでしょう。この研究室を飛び出す若いアーティストたちには時代を柔軟に受け入れ、突き進んでほしいと願っています。
※所属?職名等は取材時のものです。
実践的な教育が写真に関わる全ての仕事で通用する真のプロを育てる。
1923年創立の「小西写真専門学校」をルーツとする本学科は、日本で最も長い歴史と伝統を誇る写真教育機関です。90年以上の歴史の中で培われた教育ノウハウは、他校の追随を許しません。写真技術だけでなく芸術分野の専門科目を学ぶことで総合力を習得。写真に関わるあらゆる領域で活躍できる真のプロフェッショナルを育てます。