特集
2023.6.1
飽くなき教育改善!教員研修~写真学科編~
写真学科の教員が、教育指導向上のために就職支援課の学科就職支援企画制度を利用し、就職支援用のポートフォリオ改善研究会を開催しました。
本学卒業生である、資生堂フォトグラファー 金澤正人氏を招いて行われた研修会の内容を小林教授にお伺いしました。
※2022年度に行われたものです。
芸術学部 写真学科 小林 紀晴 教授
1968年生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。1997年『DAYS ASIA』で日本写真協会新人賞受賞。2013年『遠くから来た舟』で第22回林忠彦賞受賞。2000-2002年渡米(N.Y)。雑誌、広告写真等に携わる一方、『homeland』『SUWA』『kemonomichi』などの写真集、『写真はわからない』『父の感触』『愛のかたち』『美女の一瞬』『だからこそフェアでなくてはならない』などのノンフィクション、『写真学生』『十七歳』『昨日みたバスに乗って』などの小説執筆など、写真と文章による活動は多岐にわたる。初監督映画作品に『トオイと正人』がある(223年3月全国順次ロードショー)、日本写真家協会会員、日本写真協会会員、ニッコールクラブアドバイザー。
特別ゲスト:資生堂クリエイティブ チーフフォトグラファー 金澤 正人さん
1967年 東京生まれ1988年 東京工芸大学短期大学部卒業(63期)。 1988年 株式会社資生堂宣伝部(現?資生堂クリエイティブ)入社以降、同社の数多くの広告に携わる。フォトグラファー、アシスタント職の人事採用に深く関わっている。 (社)日本広告写真家協会会員。
就職試験における学生のポートフォリオの内容と質の向上
就職活動をする際に、自身の作品をまとめたポートフォリオが必要となり、企業での面接など最初の段階から重要なものになります。写真学科では以前、大手の代理店の入社試験で先方から形式の指定があったという経緯があり、ポートフォリオの制作にあたり、5つのテーマで30ページというかたちが定着しています。長年続く、そのポートフォリオの形式のままでいいのか、実際に採用に関わる人に改善すべき点があるか意見を聞くため、就職支援課の学科就職支援企画制度を利用し、写真学科の先生で集まりポートフォリオ改善研究会を開催しました。
資生堂フォトグラファー金澤氏を招いての研修会
講師として本学卒業生、資生堂フォトグラファーの金澤正人さんをお迎えし、採用する側からみて、ポートフォリオがどのように映るのか、改善すべき点があるのか、先生方が質問をする機会をつくりました。
熱意が伝わる作品づくりが大切
金澤さんに本学卒業生のポートフォリオを実際に見ていただき、改善すべき点を聞いたところこのままで良いという感想をいただいたので、このかたちを変えることはないかなと思います。ただし、アドバイスとして、ポートフォリオの形式にとらわれず、採用する側は大学で学んできた写真に対する熱意が伝わるものであることが重要だということでした。
採用する側からの視点を取り入れた指導
教える側としては、プリントをきれいにするなど、どうしても校正にとらわれがちです。それはもちろん大事なことですが、企業側からすると真面目に熱意を持ち写真と向き合っている姿を重視していることがわかりました。
例えば、資生堂に提出するポートフォリオなら物撮りを入れた方がいいのではないかと考えがちですが、実際は被写体がなにであるかというのはあまり関係ないということがわかりました。採用側の考えを知ることで、学生にポートフォリオの指導をするとき、新しい提案ができるようになります。
今回の研修を経て、それぞれの先生が感じたことを活かしポートフォリオの指導に当たっています。また機会がありましたら、写真館の方など同じ写真でも違う分野で採用する立場の方の話を聞き指導力を強化していきたいと思います。
※所属?職名等は取材時のものです。
実践的な教育が写真に関わる全ての仕事で通用する真のプロを育てる。
1923年創立の「小西写真専門学校」をルーツとする本学科は、日本で最も長い歴史と伝統を誇る写真教育機関です。90年以上の歴史の中で培われた教育ノウハウは、他校の追随を許しません。写真技術だけでなく芸術分野の専門科目を学ぶことで総合力を習得。写真に関わるあらゆる領域で活躍できる真のプロフェッショナルを育てます。