研究
2021.2.13
アニメーションの基本を身につけ 新しい時代を創るクリエイターを育てる
教員プロフィール
やまもと?けんすけ
1970年東京都生まれ。東京造形大学美術I類在学時にゲーム会社設立。その後フリーランスのCGクリエイターとして実写映画のVFXを中心にして活動。現在は有限会社オレンジにてアニメの3DCGの制作にあたっている。代表作に『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』などのVFX制作。「ローレライ」以降、樋口真嗣監督作に多数参加。「宝石の国」、「BEASTARS」などの制作に参加。アイドリッシュセブンの楽曲「Mr.AFFECTiON」MVでは監督も務める。アニメのCG表現(主にエフェクト)を研究中。
きふね?そのこ
1959年東京都生まれ。東京造形大学在学中からIKIFというユニット名で木船徳光と実験アニメーションを制作。美術館などでのワークショップも多数行う。1990年頃から商業アニメーションのCG制作も手がけ、現在は3DCG制作スタジオであるIKIF+を運営している。CG制作?監督作品: NHK Eテレ「ぶーばーがー」、「ミニパト」、映画ドラえもん「 のび太と緑の巨人伝」、「新?のび太の宇宙開拓史」、TV「毎日かあさん」オープニング、「本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません」エンディング制作等。
基本を学び、短編アニメーションを作る
木船園子教授:自分の思い描いた世界をアニメーションで自由に表現する。それはとても楽しいことです。この研究室では1、2年生で学んだ制作技法の基礎に立脚して、自らデジタルツールを駆使し研鑽することにより、学生が成長することを目指しています。3年次には過去の名作映画を題材に、その構造を分析した上で「1分間の要約アニメーション」、映画の1シーンを「写実描写するアニメーション」、「自分のスタイルで表現するアニメーション」を制作することによって、アニメーション制作に必要なプロセスを身につけ自己の表現スタイルを模索します。そして4年次の卒業制作作品に結実させます。それを達成したとき、プロの現場で活躍できるクリエイターとして羽ばたいていけると信じています。
山本健介 教授:私は3DCGを中心としたデジタルワークを専門としています。アニメーションの表現はさまざまなメディアやテクノロジーの発展とともにより広いものになろうとしています。作り方も発信の仕方もです。根っこにあるのは画を動かすという不思議な魅力ですが、そこを軸にして新しい地平が広がり続けているのです。先人たちの築いた道を学びつつ、いかにそこを踏み外していくかという冒険をこの研究室で実践してもらいます。
「やり続ける力」が成長への道
木船:アニメーションは何千枚もの絵を描いて動かすことが基本です。そのために必要なのは持久力です。ひたすら絵に向き合い、愚直に描き続けることが成長への道です。どんなに才能があっても「やり続ける力」が無ければ大成することは出来ません。この研究室ではそれぞれが作った作品を制作途中でも発表し、評価をしあっています。学生たちはお互いに刺激しあい、切磋琢磨して共に成長していきます。
山本:アニメーション制作の現場ではデジタルによる表現が増えていていますが、デジタル表現でも同じことが言えます。いかに長い時間にわたって制作に没頭できるかが重要になってきます。新しい技術を誰かが実際に使って作品を作り、その作品より優れたものを作ろうと努力することで成長していきます。
今までに無いものを創り出してほしい
木船:今、世の中はコロナ禍で大変な時代になっていますが、こうした世の中の変化と共にアニメーションの役割は更に大きなものになっています。本学のアニメーション学科の卒業生はアニメーションの制作現場で大活躍していて、今では世の中に出ている作品の中で、本学の卒業生が参加していない作品を見つけるのは難しいほどになっています。
山本:今までにある技術を身につけて世に出ていくだけではなく、今までに無いものを創り出してほしいと思います。さらにその先、イマジネーションや創造力を発揮した新しい時代を創る人間になってほしいですね。大学とはそういう人材を育成するための場であると思います。
学生課題作品
※所属?職名等は取材時のものです。
日本の4年制大学で初めて設置されたアニメーションを多角的に学べる学科。
日本アニメーションの世界への拡大、そして進化をいち早く察知し、他大学に先駆けて誕生したのが本学のアニメーション学科です。コンテンツ産業として、まだまだ拡大の可能性が期待されているアニメーション界を担う、コンテンツクリエイターの育成を行っています。アニメーターのみならず、幅広い産業界に活躍の場を広げていることも特徴です。