片上大輔教授の研究室がニューロダイバーシティアワードを受賞

片上大輔教授の研究室の取り組みが、11/2(日)、3(月?祝)に東京ポートシティ竹芝で開催された「みんなの脳世界2025」会場において、「ニューロダイバーシティアワード」を受賞しました。

ニューロダイバーシティ賞
認知症家族介護者のための精神的負担を軽減するトレーニングシステムの取り組み
東京工芸大学?人間共生システム研究室(日本)

世界10か国、170件の応募の中から上位3.5%にあたる6件に選出されました。選出された6件のうち、大学等のアカデミック団体からの受賞は1件のみでした。

本取り組みは、「認知症家族介護者のための精神的負担を軽減するトレーニングシステムの取り組み」と題して、認知症患者を支える家族介護者向けの支援システム開発を行っています。日本の高齢化率は29%を超え、認知症患者は2025年に700万人を超えると推計されています。在宅介護を行う家族の約87%が精神的負担を抱えており、その主因はBPSD(行動?心理症状)への対応の難しさです。孤立や生活の質低下を招くこの問題は社会的にも深刻です。本取り組みは、家族介護者が専門的なケア技術を学び、BPSD緩和に役立つスキルを習得できるトレーニングシステムの開発を目的としています。内容は、言語的?非言語的コミュニケーションの双方から構成されます。まず「傾聴」を学ぶシステムでは、対話シミュレーションにより適切な声かけを習得し、認知症患者の心理理解を深めます。さらに非言語的側面では「ユマニチュード」と呼ばれるケア手法に基づき、音声認識技術を用いて声のトーンや速さを客観的に評価し、実践的に訓練します。最新の試みとしては、AI(LLM:大規模言語モデル)と認知アーキテクチャを統合し、現実に近いロールプレイを可能としました。これにより介護者は時間や場所を問わず実践的な学習ができ、BPSD緩和を促し、介護者と認知症患者双方のQOL向上に貢献することが期待されます。

「みんなの脳世界2025」におけるシステムの展示では、両日ともに多くの方にお越しいただき、体験していただきました。

関連URL:
NEURODIVERSITY AWARDS
https://neurodiversityawards.org/

みんなの脳世界2025
https://neuro-diversity.world/minnou2025/

片上研究室HP
http://www.hss.cs.t-kougei.ac.jp/

授賞式の様子
みんなの脳世界2025にて展示中の様子
参加した研究室の学生の皆さん